モアモアズについて

Muddy Daysムラデです。Muddy Daysとずっと一緒に NIHONNOTSUNOというイベントをやってきた俺達の相棒、モアモアズが2023年1月を以て解散する事となった。そんなモアモアズについて、話したいと思う。

モアモアズとの出会いは2017年までに遡る。当時、まだMuddy Daysというバンド名すら決まって無くて、バンドメンバーを探していた頃。ドラムだけいなかったので、下北沢のスタジオにドラム募集の張り紙をしていた。それからしばらく経った頃、一通のGメールがきた。”バンドメンバー募集について”という件名だったので、てっきりドラマーかと思いきや、”ギターだけど良いですか?”という内容だった。どうしてドラマー募集なのにギタリストとして応募したのか、意味分からなかったのだがちょうど同タイミングでギタリストも探そうと思っていたし、なかなかぶっ飛んでそうな人間な気がしたので彼と会って話してみる事にした。そいつがモアモアズのギター、ヒサシだった。そこからメンバー全員揃い、Muddy Daysという名前になった。どうしてMuddy Daysという名前にしたのかもう覚えてないけど、もしかしたらヒサシがバンド名の名付け親かもしれない。ヒサシは数曲のデモ音源録音と数本のライブに出演したのち、Muddyを辞めてしまった。

そこから数年経ち、2019年にヒサシから久々に連絡があった。ヒサシが高校生の時からやってるハードコアバンドのライブがあるから観にきて欲しいと。俺は彼のバンドを観に行く事にした。場所は初台WALL。そのバンドこそモアモアズだった。初めて彼らの演奏を目にした時、俺は久々に音を聴いて衝撃を受けた。曲が良い悪い、演奏が上手い下手、ではなくて純粋で原始的なロックの喜びがそこにはあった。音を聴いて久々に血沸き肉踊った。モアモアズのボーカルのコウをこの日初めて見たのだが見た目とパフォーマンスが怖かったのでビビってしまい、この日は話しかけず帰ってしまった。これがモアモアズとの初めてのコンタクトだった。

そこからさらに数年経ち、2021年3月6日にMuddy Days初の企画イベントを行った。その時、いつか共演したいと思っていたモアモアズを誘い、出演快諾してもらった。ボーカルのコウとはこの時初めてちゃんと話した。ステージの荒々しい感じとは違い、少年のように純粋な目をした男だった。モアモアズの音楽の純粋さはコウがもたらしているんだろうなと直感した。ドラムのショウキは鬼神の如くドラムをしばき倒していて、近鉄時代の中村紀洋×100ぐらいパワフルで気持ちの良いドラムを叩いていた。しかもかなり音楽的なドラミングで、ドラムだけで一曲聴いてもおそらく飽きずに聴けちゃうぐらいドラムが曲になってるすごいドラマーだった。モアモアズ3人と初めて話した日だった。

そこからさらに1年後、俺もMuddy Daysで徐々に自信をつけてきたのもあって、他のバンドと共同で定期イベントをやりたいと思ってた。その相手として真っ先にモアモアズが頭に浮かび、コンタクトを取ると、是非やろうと言ってくれた。その時は本当に嬉しかった。そして共同イベント名をNIHONNOTSUNOという名前にして、2022年3月6日に第1回NIHONNOTSUNOを行った。それから今日に至るまで5回イベントやってきた。色んなアーティスト、色んなライブハウス、色んなバーで演奏してきた。コウのアパートでアコースティックライブを敢行してバカ騒ぎしすぎて警察来たり、俺のアパートで映画を観たり、三茶の深夜の街を徘徊したり、プライベートでも沢山遊んだ。

この一年モアモアズを見てきて、少しずつ彼らが変わっていくのをなんとなく感じていた。激しいパンクロックを鳴らしまくるバンドから、徐々にそうではない何かをライブで感じてた。パンクロックを通過したメッセージを俺たちに届けようとしていると感じていた。コウから解散を告げられた時、本当に驚いたし寂しかった。おそらくモアモアズ最後の曲”そして森へ”をライブで聴いた時、終わりの始まり、そしてゼロになり新しい始まりを想起させるような曲で、今思えばこの曲を聴いていた時にどことなくモアモアズの終わりを意識していたような気がした。

コウは、パンクをやる上で1番大事なのは速度。パンクはいつだって速度によって自らの存在を証明してきたと常日頃言ってた。パンクって孤独だなとも言ってた。高校の時、恋人の誕生日に贈った自家製プレイリストの恥ずかしいCDにも、パンクを入れることは出来なかった。でもパンクを聴くときはいつでも、ヘッドフォンで耳を塞いでポケットの中で拳を握りしめていた。速すぎるから誰も共に走ってくれないし、手を取り合う事もない。皆に共感される事もほとんど無い。だからパンクは強いと。

2023年1月28日のNIHONNOTSUNO FINAL HORNを以ってモアモアズは解散する。みんな最後にモアモアズのライブを、最後のニホンノツノを目撃しに来てほしい。モアモアズは俺たちに最後に大きすぎる置き土産をくれた。

TuneCore Japan
YAGIYAMA by モアモアズ アルバム • 2023年 • 9曲 • 21分

モアモアズのラスト作品となる3rdEP”YAGIYAMA”が配信でリリースされた。多分会場ではCDも売ってくれると思う。

コウ、ヒサシ、ショウキ、モアモアズありがとう。君たち3人は本当に最高だ!

俺とコウ
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