80s、90sのUS/UKオルタナティブロックに影響されたインディロックバンドが東京にもここ近年どんどん増えてきているように俺は感じている。
大多数のバンドのサウンドはDinosaur jrのような轟音のフォロワーであったり、Pavementのような脱力したローファイサウンドのフォロワーだったりと、オルタナティブロックに影響を受けた最近のバンドは沢山いるけど、SoundgardenやAlice in Chains、Pearl Jamのようなハードロック/ヘヴィメタルの要素が入っていて、ブルージーで男らしいゴツいサウンドを出すバンドは今のご時世なのかちょっと敬遠されがちな空気を感じたりしている。俺は彼らの音に勇気づけられて生きてきたうちの一人であるし、俺たちMuddy Daysの音楽性にもかなり影響を与えているバンド達なので、これらのバンドの魅力を伝えていきたいと思った。その中でも上記で挙げたバンドより、入り口になりやすそうで沢山のグッドソングを持っているStone Temple Pilotsを今回は紹介したいと思う。
Stone Temple Pilotsとは?
Stone Temple Pilots(以下STP)はアメリカのサンディエゴ出身のバンド。1986年結成。ディーン・デェレオ(Gt)、ロバート・デェレオ(Ba)の兄弟とエリック・クレッツ(Dr)、スコット・ウェイランド(Vo)が結成時のメンバー。後述するがボーカルだけは数回代わっているんだけどこのメンバーが黄金期のラインナップ。
1992年のデビューアルバムから90年代はずっとバカ売れしていて、2ndアルバムは全米1位も獲得したり商業的にも成功したバンドでもある。
バンドの音楽性はハードロックを下敷きにした、ブルージーで激しくも哀愁のある演奏をするバンドに、スコットのカッコいいけどすごく危なげな歌声が載ったサウンドで、眉間に自然に力が入るようなガッツある曲もあれば、電車の車窓からの景色を眺めるのにぴったりな心安らぐ曲もあったりで、聴くたびにバンドの魅力を味わえる。
とりあえず一曲聴いてみよう。
ということで、彼らの代表曲。デビューアルバム”Core”に収録されていおり、当時シングルカットされた代表曲”Plush”
シンプルな演奏とメロディだが、ドライなギターサウンドとスコットのどことなく狂気じみた魅力ある歌声に惹き込まれる。
こちらは2ndアルバムから、STP屈指のバラードソング。
スコット・ウェイランドについて
STPを語る上で特に欠かせないのが、ボーカルであるスコット・ウェイランドの存在だ。
STP以外にも、元ガンズアンドローゼスのメンバーと組んだヴェルヴェット・リボルバーのボーカルとしても活動してたので、むしろこっちのバンドのボーカルとしての知ってる方も多いのではと思う。
髪の色がけっこう頻繁に変わるし、不良っぽい出立ちもあればグラムロックのような派手な格好で登場したりと、見た目もカッコよくて面白い。
彼は昔から重度のドラッグ問題を抱えており、そのせいで何回も逮捕され、バンドのツアーがキャンセルになったりして他メンバーと大きな軋轢があったりと、かなりのトラブルメーカーだったそう。結局ドラッグ等の素行問題で数十年にわたりバンド脱退〜復帰を繰り返していたが2015年にスコットはドラッグ中毒により亡くなってしまった。(当時このニュースを聴いた時、マジで悲しかった。)
本物の不良であり、ジャンキーであり、ふとした瞬間に感じる優しさもある彼の声を聴くと、本物のロックスターであることをいつも再認識させられる。タイムリーな事に2021年にスコットの自伝映画の制作が決定したらしく、こちらの公開もとても楽しみ。
STPの現在
スコット脱退後はリンキンパークのチェスターベニントンをボーカルに一時期迎えたり、オーディションで選んだ新人ボーカルを迎えて作品を発表したりと、今でもしっかり活動している。
現在もSTPもバラード曲を中心として、良い曲をそれなりに発表してるけどやっぱりスコットがいた頃とは別のバンドで、結局彼の声を聴きたくなってしまっている自分がいる。
おわりに
ここ近年は轟音、ローファイ系オルタナバンドの台頭や、そもそもロックが下火になってHIP HOPやR&Bがメインストリームになっていると感じているけど、改めて彼らを聴き直してみると最近のシーンでは感じる事ができないロック本来の力強さやギラギラしたグラマラスな魅力を感じる事が出来ると思う。
これから始めて聴くって人は、1stアルバム”Core”と2ndアルバム”Purple”をまずは聴こうぜ。
もうちょっと深堀りしたかったら、3rdアルバム”Tiny Music… Songs From the Vatican Gift Shop”もおすすめ。
この記事をきっかけにSTPに興味を持ってくれるととても嬉しいな。
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